deerhoof

いやいや、随分さぼってしまった。まず最初に。このバンドはおかしい。そして凄いですわ、やっぱり。

deerhoofのライブはこれまでに1回行っているのだが、このバンドは簡単にコピーできるバンドではない。だいたいここのドラマーはおかしい。叩き方がめちゃくちゃ、そして凶暴。スネアとハイハット、あとバスドラくらいしかセットされていない。タムタムとかシンバル系の鳴りものは全く無し。しかもハイハットはTシャツ着てる、というか被ってるし。なのに、フレーズがめちゃめちゃ豊富でリズムも多彩。ライブにいく度にドラムの叩き方を盗んでやろうと意気込んでたころがあったのだけど、1曲目が始まったとたんに、そんなことは無理だということに気付いてしまった。ボクが真似して叩くとしても、あまりに野生的すぎる。たしかボクがライブ会場に足を運んだときは、この人裸足でペダルを踏んでいたような気がする。

ギターに関してはもともとツインなのだけど、よくもまぁ2人でここまで合わせられるわ、と関心してしまう。しかも歩調はばっちりあっているのに競うように2人がギターをかき鳴らす様なぞ、他のバンドではあり得ませんぜ。最近1人が抜けてしまったので最新作や今後のdeerhoofでは聴けない音になってしまったのが残念だけれど。

でもdeerhoofの面白みは、彼らがジャンルを横断する様だろうか。ノイズあり、フレンチポップみたいなものあり、ジャズっぽいのもあり、典型的なロックあり、時折ノスタルジックなテイストあり。こういうアウ゛ァントポップができてしまうというのは、ホントにこの人たちの軽快さを示す点だと思う。日本のバンドによくあるような、ロック道を極める、とか、ジャズ道を追求する、とか、真面目腐って音楽やってる人たちをあざ笑うかのような彼らのスタンス(ある種とてもパンキッシュなスタンス)がボクは本当に好きなんです。deerhoofってひねくれた音じゃん?という人もいるでしょが、xtcで音楽に開眼したボクとしては、全く心地よい音なのです。今更ながら、deerhoof全音源ゲットします宣言をしますぜ。

ちなみに、現在とてもとても気になっているのがEinsturzende Neubautenという人。なんでも何年か前のロンドンICAでの公演にて、コンクリートをドリルで粉々にしたり、ガソリンがどっかから漏れたりしてて、会場をガソリン臭で充満させてしまうというneubauten。警察が来るか来ないか、すれすれのところでパフォーマンスするらしい。ボアダムス山塚アイなんて屁みたいなもんですよ、neubautenにしてみれば、きっと。