サインを頂戴する

行ってきました、山本精一のライブへ。『ゆん』出版企画としてのイベントということらしいのだが、この著書の著者紹介には造音作家と記載してあるから、『ノア』みたいなことをやるのかと予想した。

実際『ノア』に近いメニューだろうという予想はそう外れたものではなかったのだが、終盤大音量+ノイジ―なギターが聴けるとは思わなかった。会場はそれほど大きなところではなかったし、音楽をメインにしている会場でもなさそうだし、音が周辺に筒抜けになってしまうことを避けてノイズは今回のメニューには含まれないだろうと想像していたからだ。デジタルディレーを駆使し、サンプラーでダンサンブルなリズムをギターに乗っける演奏は、山本精一のライブの中では初めての経験だった。そんな中、ボクはいつものように、倒れちゃうかな? ってくらいクラクラしちゃうんですけどね。

で、今日の企画は終演後にサイン会が模様されることになっていて、ボクも『ゆん』を抱えて会場に入ったのでした。で、サインを頂いてきました。で、びっくり。サインだけじゃなくて、絵まで描いてくれちゃうのだ。「何を描いて欲しいですか?」とご本人はきいてくるから、「え?! リクエストしていいんですか? それじゃぁ...」と考えこんでしまった。急に聞かれてもボクにはそんな引き出しはないし、一番最初の人(山本精一ライブの常連客で、この人とは今日名刺の交換をしてしまった)は似顔絵を描いてもらってるから、精一さんのほうで勝手にチョイスしてもらえるとばかり考えてたのだ。

「そうだよな、これだけのサインと絵を描くんだもの、精一さんだってこりゃしんどいよなぁ」と一瞬にして思考が働いたのだが、それでも何を描いてもらいたいかやっぱり思いつかない。挙げ句のはて、「季節ものにしよう、でも桜はもう少しでちり始めるだろうからそれじゃぁ...」となり、ついボクの口からでたのが、

「鯉のぼり、描いてください」

精一さん、ボクのリクエストに苦笑する。苦笑しても、描いてくださった。「鯉のぼりの一番上ってなんだっけ?」 などと質問を周囲に漏らしながら筆を進めていく。上2つまでは普通に魚の絵を描いたのだが、それからだんだんずれていく。3尾目はなんと、うなぎ。

「おっ! さすが山本精一、繰り返すことには敏感で、こっからズラしたぞ!!!」と思い、「いいですねぇ、どんどんズラしましょう、どんどん」と精一さんに力を込めて言うボク。この頃、既にボクはちょっと興奮のあまりヤバくなってます。で、次の4尾目はなんと、オッサン。魚の絵を、どんどんズラしていって、最後はオッサン。このズラしのテクはやっぱり精一さんだ。で、もらったサインはこちら。

ありがたいです。これは家宝にします、精一さん!