Out to Lunch! - Eric Dolphy

チョー有名な一枚。モダンジャズのスタンダード。ボクが取り上げてはマズい気がするけど...

アウト・トゥ・ランチ

アウト・トゥ・ランチ

この音の空間がたまらない。ハイハットやライドシンバルの響き方がこのプロダクションの空間を形作ってるような感じではあるが、ステレオラブやハイラマズを通過したボクにとっては、バイブの音こそが空間を押し広げてるような気にもなる。

とはいえ些末だが気がかりなことも。ジャケットに印刷されているタイトルは"Out to Lunch!"とイクスクラメーション・マークがついてるけど、CDの帯やCDケースの細い部分に印字されているタイトルにはイクスクラメーション・マークが脱落している。これは作品の持っている性格というか、ドルフィーの気概みたいなものを見失ってはいないか? なんともはかりかねるけど。

ジャケットのことでもう一つ気になるのは、"WILL BE BACK"の下の時計がどの時間を指しているのかまったくわからない。ランチを食べようと席を外した人間がいつになったら戻ってくるのやら、全然予想がつかない。時間感覚が錯乱させられる気分になる。だから結局、この1枚を耳にしていると、時間も、そして空間も、どう捉えてよいのやらと考えあぐねてしまうのだ。