sitaar tah!

昨日は久々に新宿に。

新宿西口界隈はレコード屋の宝庫であり、ボクの知り合いの1人がやはりここでレコード店を経営していたこともあって、どんなに少なくても月に一度は行っていたのでした。最近だと、アメリカから3か月、日本文学を学びにきた友だちと夏にこの辺りをまわったきりのような気がする。

で、昨日は時間的な制約があったので、disc unionで済ませましたが、購入の品々は濃いです、はっきりいいますと。

Maher Shalal Hash Baz'Souvenir de Mauve'
にせんねんもんだい 『りんご』
sitaar tah! _Sitaah Tah!!!_


マヘルはどんだけ音源をリリースしているのかいまいち掴みにくいため,見つけてしまうと買ってしまう。CDを買う度にメンバーチェンジを経てるし、そのため出る音も様変わりするため、その変化が毎回おもしろいし、また捨て曲も全くないため,結局おいしい思いを毎度している。柴山伸二/竹田雅子夫妻もかなりおもしろいが、このカップルに匹敵する夫婦を挙げろといわれたら、ためらわずにこの夫婦を思い出してしまう。工藤冬里/礼子夫妻。この夫婦もかなりヤバい。

最近のマヘルはフォークソングといってしまおうとしても違和感は全く感じられない。けれども、現在進行形のマヘルは、限りなくジャズの編成に近い。ギターやピアノを弾く工藤冬里はあたり前に知ってるけれど、昨年の夏にマヘルのライブを観たとき、工藤冬里クラリネットを吹いていた。ビル・ウェルズのピアノとか、小規模だけどホーンセクションが入ってたりで、それまでの何回気味なフォークソングからは逸した音だった。マヘルは音の構成はいつもバッチグーだけども、メンバーがほとんど素人同然のような人たちだから、聴く人にとっては稚拙に思われるかもしれない。ヘタウマというのでもない。そんなヘタヘタ感満載にもかかわらず、それを聴き手に許容させてしまうのは工藤冬里のなせるわざなのか。ライブを見にいったとき、受付でチケットをさばいている工藤冬里はもう泥酔していた。ライブ中に吹いていたクラリネットは、暴走もいいところだった。

今回買ったマヘルのCDは、ユニオン曰く、激レアものらしい。ほんの少しだけだけれども入荷できたということだった(どうせちょっとは嘘に決ってるけど)。1999年か2000年くらいのリリースで、前半は_Blues du Jour_に近く、下北辺りのバンドの超渋いバージョンみたいなものになっていた。後半は、工藤冬里のピアノ爆裂ソロ、こちらが結構圧巻でした。

にせんねんもんだいのCD(-R)は、初期のEPらしい。ヤフオクで2000円で売っているものを見つけて買おうか迷ったが、ユニオンで500で新品購入。バンド始まって間もない頃のものらしく、まとまり感には欠けるけれども、ある種ノイズをふんだんに取り入れようとする気合いめいたものは、今よりあったことがはっきりとわかる。にせんねんもんんだいの胎動を聴ける1枚というかんじでしょうか。ルミナス・オレンジトかシカゴベースあたりの、シューゲー好きには絶対のお勧めです!

sitaah tah!という超ど級キテレツバンドは2年くらい前に知りました。シタールだけで30人くらいの編成を保つ事自体が難行と思われるのに、主催者のヨシダダイキチは、結構身軽にやりのけているかんじだ。

だいたいシタールなんて楽器は、だらしない。インドの楽器だから、と言ってしまいたくなるがそういうことではなく、ビヨ〜ンという音に、背骨はないだろうなぁ、という意味でだらしない。直立不動できない音。しかし、その直立不動できないからこそ醸し出せるサイケ感。あぁ、直立不動できないサイケ感とは、ボクが酒を飲んだ時の状態ということなのだろうか。

いやいや、でもsitaar tah!はエラい。シタールは、だらしなくない。凄いポップだ!!!渋みゼロ。このまま行ったらエレクトロニカシタールとかも全然ありなんだということに気付かせてくれる。そうねぇ、山本精一の『イブ』みたいな、わりと電子音がメインに出てる音に、シタールが爆裂しているかんじか。既に灰野敬二とのCDもでていますが(買おうと思い、発売元に問い合わせたら、売り切れらしい、残念)、ボクの希望はレイ・ハラカミとのジョイント。レイ・ハラカミトークも音もゆるいので、ユル×ユル対決ができる。ゆらゆら帝国、じゃなくて、ゆるゆる帝国。

なんちて。