三上寛はオルタナである

何の?

演歌の。

あたり前か。歌詞は戦争のこと、叶わぬ恋みたいなこと、なのに、あの音。魂の歌。

ライブ行ってきました。遠藤ミチロウのライブを挟む形で、三上寛のライブセットが2つ。一つは三上寛、石塚俊明,浦邊雅祥の三社、もう一つは山本精一JOJO広重をサポートに迎えるセット。

ライブの前に浦邊さんと、入り口にてちょっと話す。イギリスのとある雑誌で、数カ月前に「世界を震撼させたライブ」という特集があって、各ライターが、それにふさわしいイベントを綴るというのがあった。数十と並んでいるなかに、浦邊さんのが一つあげられてましたよ、って言ったら、本人、そんなライブがあったことをちょっと忘れてた様子だったけれど、そのうち、「あー、あれね」って感じで思い出したようだった。イギリスにいくと、その雑誌の記者が車に乗せてくれて、次のライブ会場まで連れていってくれたりするらしいのだが、カーステレオから流す音楽として、わざと灰野敬二のCDを選ぶのが、どうも浦邊さんにはなんだかなぁ〜、って感じらしい。記者に「これ、好きだろ?」って聞かれたから、'I hate him!'と言い返してやったそうな。そんなグデグデした会話を楽しんだ。その間、浦邊さんは「三上兄さん」をずっと待つが、表れず...

まぁ、三上寛はモノマネすれば絶対ウケを狙える歌手だが、本当にやろうとしても絶対に彼のことは真似できない。あの、おそらく喉に力の入ったような歌い方、更に、特殊なエフェクターを使っているわけでもないのに、変な音出すギター。形式的には至ってシンプルであるはずなのに、である。

三社の石塚俊明はラリーズでもやっている人なので、三社の音は、三上寛のソロにラリーズのテイストが加わったものと考えてだいたい良いのだろうと思う。ただ、浦邊雅祥はサックスでもスネアでも、その時の状況に応じていろいろ楽器を駆使するので音のバリエーションは若干豊富なのかも(今回浦邊はノイズギターはやらなかった)。まぁ、こういう2人のサポートがあるので、本来シンプルな三上の楽曲は、轟音へと化す。あの、三上のヴィジュアルに、轟音である。石塚のなぜだか激しいドラム、そして浦邊のBorbetomagusを凌ぐような、鋭く切れ込んでいくサックスである。特に決った構成はなく、即興色強し。ってか即興だ。

山本精一JOJO広重とのセットにしても同様。こちらは全員がギター。サポートの2人は両方ともノイズギター。JOJOは、インキャパシタンツみたいな(こういう言い方は本来嫌うけど、テレビの強烈なホワイトノイズみたいな)音であるのに対し、山本精一はソロ・ギターをガンガン鳴らしつつ、時折JOJO化したギターを弾き、「ノイズ・オン・ノイズ・プラス・三上の歌」という状態になる。山本精一はドラムとサンプラ―も担当する。

でもさすが山本精一。この3人による三上寛のステージは以前すでに体験済みなのだが、今回の三上寛をサポートする山本精一はよかった。以前のライブでは見られなかった凶暴性、というか、ボクはあんなに凶暴になった山本精一を見たことがなかった。Chaos Jockeyの時でもあんなに激しくならなかった。スタンドからマイクがブラブラ状態でも放っておく精一、シャウトも今回は激しかった。ドラムは時折空振りしつつも、体があったまってくる頃になると、ドラムも結構要所要所で決ってた。カッコ良かった、精一氏。

で、ボクはウクレレ初めました。本体は借り物。貸してくれたN先生から30分くらいレッスンを受ける。とりあえずその30分でHappy Birthdayの曲はできるようになりました。ギターの延長線にある楽器のようで、なかなかそうはいかないのね。