ルーサース

Loosers, Big Dig(2007)

ルーサース、ポルトガルの音響集団らしい。ぬるさと鋭さが混然とした1枚だ。形式としてはバンドなのだが、要所要所にターンテーブルなど使用している。テンションは決して上がっていかない。No Neck Blues Bandに近いという意見もあるようだ。理解できる。でも、No Neckに欠如し、ルーサースが持つもの、それは彼らの音源は空間に対する強度な意識だろう。エレクトロニクス系の機材がその特徴をつくり出しているが、この空間性こそが作品の主調音をなすブーンといった、熱のあがらないノイズに、実に豊かな色合いを加える。これは本当にオススめの一枚です。ノイズはどうも...という人でもすぐ食い付けます。今回は日本のレーベルを通して流通することになったらしいですが、これを機に、過去の作品も一挙流通しませんかね。