『イングリッシュ・セトルメント』

English Settlement (Lp-Facsimile)

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うーん、画像が出るだろうか? 不安だがぁ、やってみるよぉ(大泉風に)

XTCの本作をはじめて聞いたのはボクが高3の時。受験勉強真っ最中。なのに、このCDにどはまりにはまってしまい、大変苦しい思いをしました。

なにせ、当時聞いたときは真冬だったのですが、このCDがあまりに暗く、そして重く、苦しいので、冬の雰囲気にぴったりとマッチしてしまい、聴きたいんだけど、聴くと精神的にどうにかなってしまう1枚、ということで非常に思い出深いです。

でもXTCのリリースの流れからすると、これは前作の『ブラック・シー』とは似て非なるものだ。似てる、っていうことでいうと、作品の持つ勢いってことか。スネアがバチバチ来るところなんかはわかり易い類似点だと思う。

非なる部分、って言うのは、ためらいがちに言いたいところだが...

XTCを聴いていた当時というのは、ボクの中でネオアコって言うのが一部ではやってたわけだけど、それが大いに逸脱したものとして『イングリッシュ・セトルメント』を捉えている。さっき挙げた類似点を、ある人の言葉を借りれば「威風堂々」ってことだけれど、威風堂々としたネオアコとしての『イングリッシュ・セトルメント』。

ネオアコっていうのは、威風堂々としていないのが普通だから。フリッパーとか。Joseph Kとか。もちろん
Aztec Cameraとかだから。どっちかといえば軟弱な男子の音楽。脇に女の子がチョロチョロいる感じか。威風堂々なんてしちゃいない。そこに登場したのがこの作品というわけだったの。前作とのからみでいうと、前作はエレキギターが全体を覆っている感じだけど、『イングリッシュ・セトルメント』だと、確かタカミネかなんかのアコギを多用していると記憶しているのだけどね。そのアコギの弾き方もすごく激しい。弦が切れんじゃないの? って余計な心配しちゃうくらい。アコースティックな編成であんな怖い感触が生み出せるなんて、僕には気色悪かったのだ。けど、冷静になって聴きなおしてみると、曲のバリエーションがどの作品よりも豊かな隠れた名作なのではと思っていたのさ。