旅行が決まった/『サウンド・アナトミア』

旅に出ることになりました。バレンタインデーから約2週間の長期戦になってしまった。この1日とちょっと、飛行機のチケットやホテルの手配で疲労困憊。参った。

まずはグラスゴー。Instal 08というイベント。今月の15,16,17日の3日間。Incapacitantsなど、大勢の日本人が出演するなか、ボクの目当てはRichard Youngs。Radu Mulfattiも、ちんたらと出演するらしい(http://www.arika.org.uk/)。Mulfattiは他の共演者との出演らしいのだが、その間、かならずしも楽器を演奏するというわけでもなく、しゃべったりするのも演奏として考えてくれ、という具合に、Instal側は説明しているようで。

そこからロンドンへ直行し、今度はかつて同じカレッジで勉強した友達に、7年ぶりの再会をしたりする。その他、Boat-Tingへ行ったり、To Rococo Rotを見たり、もしかしたらDavid Hareの最新作を観たり、Studio 323へ行ったり...いろいろ。

その後、本来ならアムステルダムに行くつもりだったが、これは取りやめた。アムステルダム行きは、Sonic Actsというイベントに行きたいと思っていたから考えていたこと。だが、Douglas Kahn以外の人に魅力を特に感じることがなく、行く気が失せた。

その代わり、ストックホルムへ行くことになった。これも音楽のイベントへ行くためだ。その名も24 Hour Drone Peopleである。12の出演者がいる。各2時間の演奏を割り当てられている。かけ算すると、24時間、つまり丸1日、ドローンという音を聴く。23日午後4時開始、24日午後4時終了(http://www.idealrecordings.com/index.php)。飛行機の都合で、ちょっと遅刻しちゃうけどしょうがない。

ところで、北里義之著『サウンド・アナトミア』の第2章を読んでいる。フーコーを参照していたりして、興味深い部分もあるのだが、やはり論を支える理論的枠組みがかなりもろいのではないかと実感する。ストレートに言えば,破綻しているとさえ言える。『臨床医学の誕生』を下敷きにしている北里氏の論は、フーコーの『臨床医学』から引用を行うも、引用部分の分析がやはりまずい。引用中のDecompositionという言葉でフーコーが意味(しようと)するところと、北里氏の意味(しようと)することには、あきらかなギャップがある。また、引用箇所は臨床医学のことを記述しているのに、北中氏は解剖のことを述べていたり、というズレが散見される。

また「こいつは適当なことをブログに書いているな」なんて思う人もいるかもしれませんが、今回ボクは、フーコーの著作の日本語訳も、英語訳も、そしてフランス語のオリジナルもちゃんと読み比べながら書いている、ってこともとりあえず付け足しておく。『サウンド・アナトミア』に関するボクの読みの詳細は、自分の考えがもっと整理できてから書くつもり、絶対に。まだStuart Simのこが書けてないから、その後にでも。