Tony Conrad + 灰野敬二、とか映画のこと

今日はTony Conrad(以下、トニコン)のライブ@Super Deluxe。トニコン、前回のFaustに続き、よく分かっていない。せいぜいCDを2、3枚聴いただけだ。でも、彼の年齢も年齢だし、せっかく東京に来るのだから、こういうのは行かないとまずいだろう。インプロ系の日本のミュージシャンがヨーロッパ方面、アメリカなどに行くのは珍しくはないが、その逆というのはなかなか実現しないようなものなのだ。

しかしもっと、トニコンでもなんでも、勉強しておくべきだった。時間も資料もそこそこあるのだから。日本に来るとわかってからバタバタしている始末ではよろしくないよなぁ。

その間、本を読んだり論文を読んだり、というのは、まぁ仕事ですから当たり前だけれど、最近はNHKのBSで放送される映画がヤバい。ポーランドアンジェイ・ワイダの特集やら、ビスコンティやら、アジア・フィルムフェスティバルやら、黒沢作品も、小津作品も目白押しだった。これからもバンバン放送予定らしい。抜かりなくDVDに録画してしまうものだから、録画本数ばかり増えてなかなか消化できない。しかもDVDデッキのハードディスクも容量が一杯いっぱいの状態。一日2本の映画を観るのは全く苦ではないが、それでも夏休み一杯かかってしまうだろう。こんなものも放送されていた。

東京オリンピック [DVD]

東京オリンピック [DVD]

東京オリンピック東京オリンピックの映像は、これまで民放テレビで部分的に観たことがある。バレーボール日本女子が「東洋の魔女」(ひどいネーミングだなぁ)と呼ばれていた頃の映像などがよい例だろうが、ずっと白黒だった。でもこの映画なら、カラーで観られる。

市川崑の独力で撮影された映像でもなさそうなのだが、それでもテレビ中継では不可能と思われるカメラアングル(体操、日本男子の鉄棒のシーンなど)にドキッチョする。終戦後廃墟となった東京の街が、昭和39年までにあれだけ発達したのかと思うと、昭和という時代のエネルギーを感じざるを得ないが、交通渋滞、雑踏やその音、開会式の澄み渡る青い空、それを背景に描かれる飛行機文字、まるで『ダロウェイ夫人』の冒頭のシーンのようだった。ダロウェイ夫人は「ロンドンを歩くのが好き」というけれど、ボクは昭和39年の東京を歩くのが好きと言っていたかもしれない。