Optrumは、耳栓は不要だがサングラスがいる

11月に突入したというのに、この暖かさ、なんでしょう。11月の真夜中を半袖Tシャツ1枚で過ごせるなんて。

10月29日のライブは今井和雄さんや恩田晃さん、オプトラム伊東さんを含めて総勢5名で、メンバー入れ替わりのインプロ4セット。4セットあるから、当たり外れもあり。

ボクにとって、外れの要因はギターの内橋和久さんにあるらしい。最初と最後のセッションに加わっていた内橋さんのギターは、ある意味とても器用だと思うのだけれども、どうしてもちょっとアグレッシブなフュージョンみたいに聴こえてしまう。しかも、最後のセッションは、全体的にちぐはぐ。非常にいらついた。

今井さんは、もう高柳を彷彿とさせるようなノイジーでアグレッシブでアブストラクトな猛烈ギターで、演奏後に「今日はちょースパークしてましたね」って今井さんに言ったら、「今日のはロックだ」と返されたので思わず笑ってしまった。その後は、美学談義。これはとてもとても勉強になった。薄い内容なのに学部生受けするだけっちゅう最近の音楽関係の書籍への不満も、ボク大爆発。

イギリスの音楽に話が及んだ際、今井さんはケルト音楽を持ち出してこられたので、ちょっとびっくりしてしまった。ボクはあんちょくにCornelius Cardewが共産主義に傾倒したことをテーマに考えていたもんで。

恩田さんのライブは初めてだったけど、本人とお会いできたし、少し話もできてよかった。とても穏やかな人柄で、初対面がとても苦手なボクでもあまり緊張せずにすみました。恩田晃さんの音は、カセットテープ使用なだけにもっとざっくりごっそり感があるのかと思いきや、ふわっふわしてて、エレクトロニカみたいに滑らかなtextureでびっくり。アプローチとしてはLuc Ferrariとかを想起してしまう。特にコンポーズするって感じではない。そんなんなのに、演奏中、恩田さんがgroovyだろ?!って言わんばかりに、音に乗せて体を左右にゆらしているようすがなぜか印象深かった。恩田さん、樋口寿人さんと一緒にやったら合うんじゃないかな??? でもカセットテープの生産打ち切りになったら、どうされるんだろう。日本よりもアメリカの方が、カセットのアンダーグラウンド文化がしぶとく残っているんだろうけど。