HMV渋谷店閉鎖

昨日夕方以降のニュース番組でも取り上げられてましたが、閉鎖してしまいましたね、HMV渋谷店。閉鎖のことはわりと早い段階で知ってはいました。つい最近までロッキン・オン社に勤務していた友人からも耳にしました。音楽業界としても衝撃的なニュースだったんでしょうね。

ボクも渋谷店にはよく通ってました。学部生時代は週に2回を下ることはありませんでした。ベレー帽をかぶった女の子にスカウトされたことがあったのですが、それもこのHMV渋谷店でした。その事務所には結局入りませんでしたが。

この数年に関して言えば、ボクが聴く音楽とHMVなど大手外資系のCD店が流通させる音楽とは、ねじれの位置にあるようなものなので、渋谷に行ってもHMVに行く回数は激減してしまいました。

閉鎖の背景には流通方法の変化が挙げられていますが、ボクは必ずしもそれが主な理由だと思えません。

それこそHMV渋谷店が隆盛を極めた90年代後半は、経済的な不況の風はビュンビュン吹いていましたけど、ミュージシャンにも客にもエネルギーがみなぎってた。だからとても面白かった。

今はミュージシャンも客もすごくおとなしくて気持ち悪いくらい。つかみになるような特徴もなければ毒もなくどこかアンバランスで、長続きしなさそうなミュージシャンだらけだ。早い話、客を興奮させられないつまんない音楽だらけになっちゃったのよ、きっと。でもって客の方も、音楽がないならないで、ないなりの生活ができちゃうのよ。

もし、HMVの渋谷撤退がネットをはじめとした流通戦略だけの問題だったら、ネットなんて若い世代のたいていの人間が長いこと使用しているわけだから、そっちの方でとっくに問題回避できているはず。それでももうけがでなくて撤退に追い込まれるのは、魅力的なCDがなかなか見当たらなくなっただけのこと。

若手のミュージシャンをどうやって見つけるか、どうやって育成し、どうやって売り出すか。レコード会社はそういうことをもっとしっかり考える必要があるのじゃないかな。